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●時の記念日〜昔の時の数え方〜(99.6.1)

 6月10日は時の記念日です。なぜこの日が、時の記念日になったか知っていますか? 「大化の改新」をした中大兄皇子のちの天智天皇はじめて時計が作ったのが、671年の6月10日だったからです。
 時計といっても、現在のように針があるものではありません。いわゆる水時計です。水が上の箱から下の箱へ流れていき、そのたまった量によって、時間をはかったのです。

 昔は時代によって、時刻のきざみ方がちがっていました。
 奈良・平安時代は、先ほど紹介したような水時計による定時法でした。鎌倉時代になると、時計のない地方や、戦さで大きな装置を持ち歩けない場所で、だんだん不定時法を使うようになりました。そして、江戸時代には不定時法が公式になりました。
 不定時法とは、どのようなものだったのでしょうか。下の図を見ながら、考えましょう。

 24時間を、十二支のから12に分けます。ひとつの時間は、2時間になりますね。子の刻は、夜中の24時を中心とした2時間、つまり23時から 1時です。丑の刻は、1時から3時です。
 また、夜の24時昼の12時を「九ツ」と決めました。ひとつ刻が進むと、ひとつへり「八ツ」「七ツ」……になり、「四ツ」の次はまた「九ツ」にもどります。
 よく時代劇で「明け六ツどき」とか、「暮れ六ツどき」といいますが、江戸時代は日の出と日の入が六ツと決まっていました。
 季節によって日の出と日没時間が変わるので、六ツどきも変わります。夏になれば今の朝4時半ころが明け6ツになり、冬になれば朝7時ころが明け六つどきになります。
このように夏は、昼が長いから昼の1刻が2時間よりも長く、夜が短いから夜の1刻が短くなります。冬はその反対ですね。
 これが、季節によって1刻の長さが変わる不定時法なのです。

 実は、この時間のはかり方が今でも使われている言葉があります。
おやつは、昼の八ツどき、14時ころ食べる間食のことです。
また、12時は午の刻ですが、その前が午前、その後が午後、そしてちょうど午の刻が正午というわけです。
 怪談話に出てくる「草木も眠る丑みつどき」は、“丑満つどき”で丑の刻の中心、つまり夜の2時です。

 一番最初に水時計を紹介しましたが、昔の時計には、ほかに棒の影の長さをはかる日時計や、お線香の燃えた長さでかはる香時計がありました。
 もともと“時計”という言葉は、土の上にできた棒の長さをはかるという意味の土計でした。しだいに、日時計以外にも使われるようになり、現在の“時計”という文字があてられるようになったのです。

(中学生対象web原稿よりリトル)


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