●今年から新しくなった「台風の名前」(00.02.13)

 2月16日は、天気図記念日です。1883年(明治16年)のこの日、日本で初めて東京気象台によって天気図が作られました。

 天気図といえば、今年から台風のよび名が変わりました。日本ではふつう、台風を番号でよんでいますね。その年発生した順に「台風1号」「台風2号」といいます。国際的には、1999年なら「T9901」(Tはtyphoon=台風)とあらわします。
 アメリカでは、台風に人名をつけています。「アン」とか「ビリー」とか、頭文字(A〜Z)の順に男性や女性の人名がつきます。
 実は、ふだん日本人は使いませんが日本の台風にも同じように人名がつけられていたのです。誰がつけていたかというと、グアム島にあるアメリカ海軍空軍合同太平洋台風警報センターで、一言でいえばアメリカ軍です。軍にとって、太平洋の気象変化はとても重要なことなのです。
 しかし、日本では台風を人名でよびませんね。もしも、あなたが「ゆうた」さんで「台風ユウタが各地で大きな被害を出しています」なんて言われたら、うれしくないですよね。それは国民性のちがいかもしれません。

 そこで今年から、国連のもとにある「台風委員会」が台風にアジア系の名前をつけることにしました。台風委員会には、カンボジア、中国、北朝鮮、香港、日本、ラオス、マカオ、マレーシア、フィリピン、韓国、タイ、アメリカ、ベトナムが加盟しています。そして、各国で決めた名前が順番につけられるのです。ちなみに、日本では「てんびん座」「うさぎ座」「かんむり座」という、星座の名前に決めました。
 例えば、2000年1号の台風はカンボジアのつけた「ゾウ」、2号は中国のつけた「ロンワン(龍の王)」、3号は北朝鮮のつけた「キロギ(鴨)」、4号は香港のつけた「ケイトク(啓徳空港)」、そして5号が日本がつけた「てんびん」となります。将来これが、生活の中で定着していくのか注目したいですね。

 ちなみに台風とは、西太平洋上で発生してアジア大陸・フィリピン・日本列島などにやってくる熱帯低気圧ですが、アメリカではハリケーンといいます。カリブ海や太平洋東部で発生して、アメリカ大陸沿岸をおそいます。
 また、インド洋上で発生して、インドやバングラディシュなどベンガル湾沿岸をおそうものをサイクロンといいます。南半球で発生し、オーストリアにやってくるものはウィリーウイリーといいます。所かわれば名も変わるというわけですね。

(中学生対象web原稿よりリトル)


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