●一人から始まった「母の日」が世界に…(00.05.09)

 明日は、5月の第2日曜日「母の日」ですね。みなさんは、お母さんにどんなかたちで感謝を伝えますか。

 母の日の起源には諸説ありますが、古くはギリシャで神々の母リーアに感謝するための春祭りが行われていました。また、17世紀のイギリスでは、復活祭(イースター)40日前の日曜日を「Mothering Sunday」と決め、家からはなれて仕事をしている人が家に帰って母親と過ごすことが許されていました。このとき贈り物として、「Mothering cake」というお菓子を用意したそうです。
この風習が、今日の母の日の原形になっているようです。

 現在のような5月の第2日曜日に決まったのは、1900年代のアメリカの出来事がもとになっています。1905年5月9日、アンナ・ジャービスという人の母親が亡くなりました。やがて彼女は、「亡き母親を追悼して、母の日という祭日をもうけよう」という運動を全米でおこしました。そして1908年5月10日、フィラデルフィアの教会で白いカーネーションを配り、これがアメリカで初めて行われた母の日になりました。
 この風習がアメリカのほとんどの州に広まると、1914年に「5月の第2日曜日を母の日とする」という母の日議案が制定されました。
 このように母の日とはもともと、亡き母を追悼する日だったのです。

 日本では、1912年(明治45年)にキリスト教の行事として、最初の「母の日」が行われました。やがてアメリカンにならい、1947年(昭和22年)公式に「5月の第2日曜日を母の日とする」と決められました。さらに、現在のように生きているお母さんに感謝の気持ちをささげる行事になったのは、1955年(昭和30年)からのようです。

 当時の日本では、母性愛をあらわすカーネーションを、お母さんが生きている人は赤い花、亡くなった人は白い花を胸に飾り、母の偉大さを考えるとしていました。やがて、カーネーションを母に贈る日になり、現在ではどんなものでもいいから母にプレゼントをあげる日になっています。
 しかしもともとは、「女性が世界平和について考え、行動をおこしていく日」という意味があったそうです。母親に感謝をするということは、その母親によって生をうけた自分自身を見つめ直す日でもあるといえます。そして、生を大切にするということは、戦争で多くの人が死ぬことがないように願う日でもあるでしょう。

(中学生対象web原稿よりリトル)


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