●あなたは何に感謝しますか?(99.11.23)

 今日11月23日は、何の日ですか? もちろん勤労感謝の日だよね。
この祝日は、第二次世界大戦後まもない昭和23年(1948年)に制定されました。総理府によると、勤労感謝の日とは「勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう日」となっています。
 つまり、農業も工業もふくめた、すべての産業生産活動に感謝することです。そして、生産された品物に感謝し、その生産のもとである勤労に対して感謝するのです。さらには、その生産物によって、今日まですこやかに生きてきたことに、みんなで感謝する日なのです。

 ところで、この勤労感謝の日は、なぜ11月23日なのでしょうか。
もともと、11月23日は明治時代から終戦まで、新嘗祭という天皇が儀式を行う日でした。
 新嘗祭とは、秋になってその年の収穫に感謝する行事です。新嘗とは新饗(にいあえ)の意味で、「新」は新しい穀物、「饗」はごちそうを表しています。
 その起源は古く、日本最古の歴史書『古事記』にも、記されているほどです。
 奈良時代からは、天皇が収穫した米を神殿にささげ、自分もその米を味わうというお祭をしていました。また全国各地でも、その土地の神社に、収穫された最初の米をおさめ、神様に感謝する祭事をしていました。

 終戦までの日本は、天皇が神様であると信じており、国民は大地の恵みを神々と天皇に感謝していました。しかし、現在は天皇も人間であり、国民主権の憲法によって、11月23日は「勤労感謝の日」と名前を変えたのです。

 ちなみに、アメリカにもこの時期、日本と同じようにサンクスギビング・デイ(感謝の日)があります。11月最後の木曜日に決められていて、今年は2日後の25日ですね。
 これは、17世紀にアメリカへ移民してきた人々が、思いがけない幸運でうえ死からのがれることができ、それを神に感謝したことから始まっています。
 この日アメリカ国民は仕事を休み、家族と七面鳥を焼いたりカボチャパイを食べて、お祝いするそうです。

(中学生対象web原稿よりリトル)


トピックスへ戻る