●府中の遺跡〜国分寺参道遺構発見〜(99.5.23)

 5月中旬に、府中市と国分寺の境にある場所から「古代武蔵国分寺の参道入口遺構」が発見されました。我が家から1qも離れていない場所で、1000年以上も前の遺跡が出てきて、あらためて古代のロマンを感じました。
 5月22日(土)23日(日)、一般市民向けに現地説明会があり、怪鳥さんとリトルで見学してきました。

国分寺と国分尼寺へ続く道が分岐している地点。
道幅は3m〜6mもあるようです。
国分寺へ行く道には、両脇に門柱の跡があります。
両端に、大きい穴と小さい穴の計4つの跡がありました。



人の往来があると土が踏み固められるので、道の部分だけ地質が異なりわかるそうです。
古代の道はお皿のようにくぼんでいて、この発掘では底の部分まで削ってあるの、今は幅2mほどです。


大きい門柱の穴。白く囲んだ部分の左側にも、古い門柱の跡があります。
こちらは立て直すために、人為的に倒した跡のようで、左ほどはっきりしません。
自然に朽ちた方が、跡がよくわかるように残ります。



小さい方の柱の穴。
白く囲わなくても、他と地質(色)がちがう黒い部分がわかりますよね。


もう片方の小さい穴には、底に瓦がひかれていました。
これで、底を補強したようですが、なぜ片方だけなのかわかりません。



発掘場所は、都営住宅建設のために工事された場所です。
周りには住宅が建ち並び、古代の面影はありませんが、アスファルトの下にはこんな古代人の道があったのですね。
ちなみに、この遺跡のある地点は、都営住宅の公園緑地予定地だったそうですが、保護運動が盛り上がれば(学術的にも大きな価値を認められれば)、復元などの整備をして残すことも可能だそうです。
ぜひ、そうしたいですね。


 これらの発見から、奈良・平安時代の武蔵国の国府(現在の府中市大国魂神社東側一帯)と国分寺・国分尼寺(現在の国分寺跡・国分尼寺跡)を結ぶ道が推測されます。国府と国分寺が密接な関係であったことがわかるという、全国的にも注目される発見だそうです。1000年前の人々がどんな暮らしをしていたか想像すると楽しいですね。



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