怪鳥とリトルのフィンランド旅行記

初日の出とΩ型オーロラ

〜第四日目 2002年1月19日〜


 サーリセルカ2日目は、特に予定がなく、町の中を散策しました。



 10時に朝食を食べ終わり、ゆっくりと支度してから町の散策に。2年前と変わらない店や変わってしまった店や。特に2年前に昼食でお世話になったインフォメーションが、スーパーに併設されてしまったのが残念です。

 それにしても、2年前と違い雪が降っていません(^^; おまけに青空まで拝めたことに感動。
 12時近くには太陽が南の空低く顔を出しました。林の間からさしこむ弱々しい木漏れ日がいとおしいほどです。途中ですれちがった人から「この太陽がこの場所で今年初めてのものだ」と聞き、よけいに愛おしくなります。ある意味この場所の“初日の出”なんですね、今回の旅に期待が高まります。

 私たちの泊まったリエコンリンナホテルはロビーに無料インターネットがあり、24時間利用できます。夕方6時頃に、まずNOAAの画像と、太陽風の状況を確認。昨晩やんでいた太陽風の流れが速くなってきていたため、今晩に期待!

 すると昨晩コタで会ったオーロラ奉行さんが「もううっすらオーロラが出ているよ!」と飛びこんできました。これは本格的な観測になると思い、私たちは早めに夕食を食べ、カメラなどの機材を準備万端に整え、いざコタへ。



 8時少し前でしたがもうホテルを出たところから街灯に負けないくらい、緑色のオーロラのが延びていました。初めてのフィンランドのオーロラ!もう大感激でした。

 それが東からどんどんやってきて次々に頭の上を通って西の空まで移動していくのです。怪鳥さんは写真を撮ったりビデオを回したり、私はオーロラの様子を口に出しながら感想を話したり。

 
この日のオーロラの詳しい画像はこちらへ



 9時ころから曇りだしたので、休憩も兼ねてコタの中へ。ところがずっと曇ったままだったので、やってきた日本人としばらくおしゃべりなど。一人の女性は夕方ロビーで会ったオーロラ奉行さんの妹さん、もう一人は東京から来た看護婦さんの女性でした。4人でかわりばんこに外へ出てはオーロラの監視をしたり、コタの薪ストーブを燃やしたり。やがて11時ころ妹さんが雲の切れ間にかすかなオーロラを発見!

 このときまだ雲が多かったのですが、コタを入れたオーロラの写真を撮影してみました。

 拡大画像はこちら



 しばらく見ているとどんどん雲が切れて、広く見晴らしのいい場所へ出るとなんと南の空が赤くオーロラに包まれているではないですか! 「あー、薄雲がなければもっときれいなのに」「南に下がりすぎてて、ここでは見えにくいな」と思っていると、次第に濃いオーロラが私たちのすぐ近くまでやってきました。12時前にはオーロラがどんどんうごめいて、怪鳥さんと「ブレイクアップする!」と予感すると、本当に天頂で激しく出現しました。全天がオーロラに包まれているなか、明るくて激しいオーロラが、次々に頭上でコロナ状に広がります。4人で大感激しました。



 このときのごく一部の様子をビデオで撮影しました。手持ちで、とても画質は悪いですが、オーロラがダイナミックに動いていく雰囲気が、なんとなくでもが伝わればいいなーと思い、動画にしてみました。

 v0119.rm (Real形式 約1.7M 36秒)

 ちょっとひと息ついたころ、今度は西から東へΩ(オメガ)型をした白っぽいオーロラがやってきます。アルクティウムで見たオーロラフィルムの順番とまったく同じです。2000年にカナダで見たブレイクアップとはパターンが違いました。このころになると女性2人もすっかりオーロラの動きがわかるようになり、次にどのオーロラに注目するといいか、どんな風にやってきそうなのかわかるようになっていました。

 その後は雲が厚くなり、オーロラの気配もなくなったので、コタに戻りました。まもなく、オーロラハンティングツアーに出かけていた女性や、オーロラ撮影サファリに出かけていた男性たちが帰ってきて、みんなでおしゃべりして過ごしました。オーロラ奉行さんは、もう5年もオーロラを見に出かけていて、彼はサーリセルカのこともオーロラのこともずいぶん詳しい。ということで、童話作家志望の女性はここで彼のことを「オーロラ奉行」と命名したのでした。たしかに(笑)。

 ちなみにオーロラ奉行の“お兄さん”(本人の希望による(^^;)は、コタの薪をつけるためにライターを借りて以来、彼女のことを“ライターの姉ちゃん”と呼びます。ほかにも、阪神電車の運転手&車掌の男性2人など、なかなか個性的な人が多くて楽しいです。ちなみに我々は、童話作家のライター姉さんから「天文夫婦」と命名されました(^^;

 その後、雲の中に気配は感じたのですが、明日に備えて2時に撤退しました。


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