☆リトルの馬宿(厩 うまやど)のページ

 バックナンバー 乗馬教室 97年前期(97年5月〜7月)


●はじめての落馬(97.5.7)

 いよいよ「府中一般乗馬会」のメンバーになったリトルは、本格的に乗馬練習を始めました。今日の馬は、私の大好きなユリタロウです。
 馬房の掃除、馬の手入れ、馬装まで、すべて順調にいきました。(もちろん、先輩から多くの注意をいただきながら)

 やがて私が乗る番になり、8頭ほどの隊で無難に練習が進みます。「よし今日はうまく乗れてるぞ」と思っていると、すぐ後ろの馬がドドドォと近づく気配がし、ユリタロウがグワァ〜ン グワァ〜ンと大きく横に走り始めたのです。
 がんばって堪えるぞ!と手綱を握ったが、どおしてもこらえきれなくなり、思いあまった私は「エイッ!」と受け身をとるかたちで転がり落ちました。
 背中をしたたかうちやや息がとまりましたが、深呼吸をしてなんとか元に戻りました。本人は「あらぁ、落ちてしまった」と思うくらいで、幸い踏まれることもなく本当に助かりました。
 しかし、なんとユリタロウは前方の馬まで走ってしまい、乗っていた人も落ちていたのです・・・。 ごめんなさい、前の方。

 それにしても、踏まないでくれて本当にありがとう、ユリタロウ号。



●突風の乗馬センター(97.5.8)

 すごい風です! 乗馬センターのケヤキたちが、大きくザワザワと揺れて恐いくらいです。それは馬たちも同じで、いえもっとおびえます。
 裏手の放牧地では、ふだんおとなしく遊んでいる馬が、風と戦うように激しく走り回ります。後ろ足で風を蹴りあげて、飛び跳ねていました。ちょっと野性を感じさせる姿でした。

 乗馬の時は、なんとかおちついて走ってくれて、無事に練習を終えることができました。今日は、とってもおとなしいミックマックIIでした。



●雨降りはちょっとのんびり(97.5.14)

 乗馬を始めて以来、初めての雨降りです。小雨くらいなら雨具を着ながら乗馬をしますが、さすがに今日は休馬になりました。
 こんな日は、乗る予定だった馬の手入れと馬具の手入れを行います。

 ヒロフブキは、乗馬の時にはおとなしくて賢い馬なのですが(自分で先生の号令を判断して動いちゃうのです。乗ってる私は自分の姿勢など気をつけるだけでいいから、助かります)、体の手入れ(触られる)が大嫌いなのです。

 芦毛(白い馬)なので汚れが目立ち、他の馬よりよけいに丁寧にみがいてあげなくてはいけないのです。濡れ手ぬぐいで拭くあいだはまだおとなしくしてくれてましたが、ブラシをかけるときになると、バタバタとあばれます。
 「きれいにしてあげるから、体にふれるよー」とヒロフブキに声をかけて、左手でポンポンと肩を叩き、右手で腹の辺りをブラッシング。
「えいっ」と右手を動かすと、左手を置いた肩の辺りがプルプルと震えます。
「・・・そんなに、震えるなんて」とちょっとおかしいくらい、ヒロフブキの緊張が伝わってきます。

 彼は、もしかしたら、くすぐったがりなのかしらん。


●ヤマトヤケル号、走ってね! (97.5.15)

 乗馬用の馬というのは、おとなしめの馬が多いです。
特に、私のような初心者が乗せてもらえる馬は、安全せいのことを考えて本当におとなしい馬ばかりです。
・・・というよりも、気をゆるすと「さぼろ〜」とのんびりする馬が多いのです(笑)

 この日私乗ったヤマトタケル号も、その典型的な馬でした。
先輩に聞いていたので、私は疾走する可能性など気にせず、どんどん蹴って走らせましたが、やっぱりのんびり屋さんでした。
前の馬に遅れないように、とハラハラしながらも、何とか練習についていくのでした。

 ちなみに、前日の雨により、馬場は泥田のような状態でした。
あぁ、落馬しなくてよかった。 ホッ。


●マグパイ号はポニー(97.5.22)

 この乗馬センターにはサラブレッドやアラブなど多くの馬がいますが、そのほかにポニーが2頭います。マグパイ号アルピナ号がそうです。

 今日リトルの乗った馬は、そのマグパイ号でした。ポニーはご存じのように小柄な馬で、けっこうマイペースな奴なのです。
常足(なみあし)のうちはまだいいのですが、駆足(かけあし)になるとすっかり遅れてしまいます。そのたびに、足で蹴ったりムチを入れたりするのですが、なかなか走ってくれません。
 パタパタ、パタパタ・・・、なんだか私のほうがせわしないような感じです。
こんなふうに、リトルの初めてのポニー乗馬が終わりました。

 東京競馬場は、今週末のオークスの飾り付けをしているところでした。


●ユリタロウのつむじ(97.5.28)

 馬の毛並みというのは不思議です。ある程度は規則的に生えているのですが、ときどき変わったところにつむじがあります。
 今日はとってもうまく乗れたので乗馬中ユリタロウをいろいろ観察していると、首の部分に二つのつむじがありました。まるで台風の目のようにぐるぐると、そこだけ毛並みが変わっているのです。

 また、馬の手入れでブラッシングなどしていると「あっ、こんなところにつむじがある!」と発見して楽しい気分になります。
 栗色の美しいユリタロウの、オチャメなつむじです。


●今週の乗馬センターニュース(97.5.29)

 仕事の都合で一週間に2日くらいしか行かれないリトルは(センターの乗馬可能日は一週間に4日間)、翌週になると周りの様子が変わっていることがあります。

 今週のニュースその1 ミックマックII号が他の乗馬クラブへ移動
ミックマックIIはおとなしくて世話のしやすい馬で、みんなにもとても人気がありました。しかし、他のクラブに行くために月曜日から姿を消してしまい、ちょっと寂しいです。

 その2 シルバーフィールド号がガラスを蹴って壊し、足にケガ
 日曜日にシルバーフィールドが馬蹄場で突然あばれ、後ろ足を蹴り上げガラスを割ってしまったそうです。そのときに足を切ってしまったらしく、私が見たときには包帯を巻いており痛々しかったです。
 彼は、福島競馬場で誘導馬になると決まっていたのに、今回のケガでしばらく動けなくなってしまいました。かわいそうです。早くケガが治って、誘導馬として活躍できるといいね。

 その3 乗馬センター内で幼稚園児見学
 木曜日に私たちが乗馬練習をしていると、ずらずらと幼稚園児たちがセンターに入ってきました。
 普段も幼稚園児や託児所の子供たちは東京競馬場に来ているのですが、いつもはセンターの外の小高い丘から遠まきに見ているだけなのです。
 しかし今日は、なんとセンターの中に入ってきたと思うと、らちのすぐ脇にまで来たのです。
「馬が子供に反応してあばれないかしら」と私が思っていると、なんと子供たちは「静かに見るんだってー。シー」「シー」と口々に言って、おとなしく座り込んだのです。
みんな好奇心旺盛な目で、間近で見る馬の背の高さや瞳の大きさにびっくりしたように見入っていました。
 子供たちの楽しそうな表情に私もうれしくなる一方、府中の子供はこんな小さな時から馬を見ていたら競馬にもなじむだろうなぁ、と感心してしまいました。

 その4 同期会員が骨折と神経痛でお休み
 私と一緒に4月の研修を受けて、5月から会員になった仲間は14人います。そのなかで、一人が落馬のときに腰を打ち坐骨神経痛になってしまいました。練習日には来ますが厩舎の手入れだけして見学しています。
 もう一人の会員は、馬を出したときに足を踏まれてしまい足の指を骨折してしまいました。人づてに聞いたので詳細は知りませんが、彼女は現在お休みして療養中です。
 私もケガをしないように緊張感を持って、しっかり楽しく練習しなくちゃ!
6月の乗馬もがんばろう。

 おまけ 
 東京競馬場は今週末(6月1日)に行われる「第64回日本ダービー」の飾り付けがされていました。
 怪鳥が競馬雑誌のペーパーオーナーに登録しているサニーブライアンは、皐月賞に続いてグランプリをとれるでしょうか? 「ダービー」という響きは、まさに競馬のお祭という感じでワクワクしますね。
 あなたの応援する馬はどれですか。


●装蹄師(そうていし)の仕事(97.6.5)

 6月の乗馬練習が始まりました。今月も上達できるようにがんばろう!
 今日はポニーのアルピナ号に乗りました。マグパイ号もそうですが、ポニーはなかなか走ってくれないのでちょっと苦労します。

 今日は馬の蹄鉄(ていてつ)を行う装蹄師(そうていし)さんが来ていました。
彼らは一月に一度の割合でこの乗馬センターへ来てくれるのですが、みなさん出張して全国を移動するそうです。
この職人さんは全国でも38人しかいないとのことで、せんさいな馬の脚を守る大切な仕事です。

 シルバーフィールド号が福島競馬場に移動しました。むこうで誘導馬をつとめるそうですから、がんばってほしいです。
たしか福島競馬場は今年新しく改装されたはずですから、彼の活躍も期待したいですね!


●トワイライトブルーはマイペース(97.6.6)

 久しぶりにトワイライトブルーに乗りました。彼は四脚が白くて、顔に白い作(さく)がある、栗色の美しい馬です。
彼はまだ6歳で若くて元気のある馬なので、自分の周りにほかの馬がいると気に入らないそうです。自分が馬だとわかってるのかしら。(笑)
 手綱をひきしめている練習中は、なかなか思ったスピードで歩いてくれなかったのですが、最後に手綱をゆるめるとうれしそうにドンドン歩くのです。
まったく、マイペースが好きなやつですね。

 東京競馬場は、安田記念の看板が飾られていました。


●トウショウファルコの尾花(97.6.12)

 久しぶりにヒロフブキ号に乗りました。私が初めて単独騎乗したときの馬であり、自分から先生の号令をききわけてくれるとても賢いこです。
 今日は先頭から3番目の隊列でしたが、私の前はトウショウファルコという馬でした。
 競馬が好きな人はご存じですが、彼は東京競馬場の誘導馬をつとめる、とてもきれいな馬です。栗色の馬体に金髪のたてがみと尾が、輝くばかりに美しいです。
そんなファルコの後ろについていると、その尾が揺れてまさに「花」のようでした。


●首輪と打撲(97.6.18)

 馬には、いろいろな癖があります。そのひとつが「さくへき」というもので、別名「ぐいっぽ」ともいうそうです。
今日乗ったスーパーコアラ号がそうでした。
厩舎の鉄棒などに歯を当てて、グイという音を立てて空気を飲み込むのです。つまりゲップの反対なのですが、なぜか馬はこれが気持ちいいそうで、退屈だとこうする馬がいます。
 しかし、必要もないのに胃に空気を入れると消化器官に悪影響があるのでやめさせなくてはいけません。治すためには、皮の首輪をして空気を通りにくくするのです。
スーパーコアラもそのベルトをしていました。

 彼はよく走ってくれるし、手入れの時もおとなしいいい子です。
ところが油断したのがいけませんでした。最後に馬房へ入れるときにふつうの馬はキョロキョロしたり、エサの方へ興味を示したりするので人間がかなり注意して引くのですが、スーパーコアラはちゃんと自分で所定の場所へ向かい、決まったように回転してくれたのです。・・・が、その拍子に馬の方が一歩早く歩んでしまい、私の右足の甲にしっかり後ろ足が乗ってしまったのです!
痛い・・・というより「重い〜」と思いつつ、過去に「馬に踏まれたときには無理に動かすと悪化させるよ。馬が動いて自然にどいてから足をぬいた方がいい」と聞いていたので、彼が動くのを待ちました。
・・・ら、ギョギョ、今度は動けない私の左足を彼の前足が踏むのです!
コアラちゃ〜ん、私の足がそこにあるのよぉ。


●ぬかるんだ馬場は3拍子(97.6.19)

 梅雨の時期は、どうしても馬場がぬかるんでしまいます。(競馬でいう「おも馬場」といったところかな)
軽速歩(けいはやあし)という練習は2拍子でおこなうものですが、ぬかるんだ馬場だと馬のパカパカという足音に、さらにペチャという水から足をぬく音もします。
パカパカペチャ、パカパカペチャに気を取られると、あら3拍子・・・になってしまうのです。
 ユリタロウ号の軽快な足音も、ぬかるみではちょっと走りにくそうです。


●初めての「責任者」(97.6.24)

 府中一般乗馬会は、毎日の「責任者」をもちまわりでやります。つまり「当番」のようなものです。
5月までは先輩たちがやっていましたが、6月からは私たち新人も順番に担当します。今日が私の番でした。

 といっても、責任者は二人で行うため先輩に教わりながらやればよいです。
朝の点呼をとり、厩舎の掃除・乗馬後の手入れ時に全体へ指示を出し、馬具の汚れ物を洗濯し、最後に反省と先生からの注意事項を伝えます。
 これまでは自分のことだけ考えていればよかったのに、責任者は全員の流れを観察したり、厩舎まわりすべてを見回らなくてはいけません。
今まで感じなかったようなことにも目がいくようになり、いろいろなことに気づきました。とても良い経験でした。

 乗った馬はヤマトタケル号です。5月15日にも書いたようになかなか走ってくれない馬ですが、今日はなんとかついていけた・・・かな。来月もがんばろう!


●久しぶりの乗馬は緊張〜(97.7.2)

 月末は原稿の締切や雑誌の配達があるので、乗馬に行く時間がありません。1週間ぶりに行く乗馬は、ちょっと緊張します。
 練習自体は順調にでき、ヒロフブキ号もいつものように賢く動いてくれました。
今度、ビデオなどで自分の乗馬スタイルを見てみたいです。どんなスタイルで乗れているか、あるいはどんなところがきれいに乗れていないのが知りたいですね。

 練習が終わって一息ついた私に、甘い香りが漂ってきました。乗馬センターにあるクチナシの花が満開をすぎて、香りをまき散らしていたのです。


●猛暑の乗馬は汗だく(97.7.3)

 梅雨明けのような暑い日が続いています。乗馬は人間にも馬にも激しい運動なので、乗り終わるとお互い汗だくになります。スーパーコアラ号も汗をかいていたので、こういう日はふくだけなく全身を洗ってあげます。
 また、乗馬の後は馬場を平らにならします。馬の走る蹄跡(ていせき)が掘れてしまうので、すきのような道具を使って平らにするのです。(全体は専用の車でならします)
 今日もいつものようにならしていましたが、炎天下の作業にくらくらしてしまいました。これからはスポーツドリンクをもっていこう。
 外で作業する人は気をつけないと、熱射病になってしまいますよ。


●コンタクトには風の日がつらい(97.7.9)

 連日の猛暑もひとだんらく、風がここちよいなぁ・・・と思っていたら、だんだん強くなってとうとうほこりが目に入って涙がポロポロになってしまいました。
 いざスーパーコアラ号に乗って馬場に出ると、もう砂が舞って大変です。少しでも目に入らないように細めつつ、一生懸命に手綱を取りますが、どうしても手がふらついてしまいます。
 幸い、今日は優しい先生だったので激しく注意されずに、無事終わってよかったです。

 指導してくれる先生は乗馬センターの方で、競馬開催の時には誘導場に乗ったりします。
いままで4人の先生に教わりましたが、そのうち二人の先生は聴講生の時から何度も教わっており、優しいので未熟な私はうれしいです。もう二人の先生は厳しいときもありますが、それだけ上達できるのでありがとうです。


●トウショウファルコに騎乗(97.7.15)

 この乗馬センターには、開催日に誘導をつとめる馬たちもいます。そのなかで一番有名なのは、おそらくトウショウファルコだと思います。
彼は美しい栗毛の馬体に、金髪のたてがみと尾を持つ、とてもめだつ馬です。それだけでなく、競走馬時代は「金杯」に1着するなど、優秀な成績も残しています。
 今日乗ったのは、そのトウショウファルコ号でした。
気分だけは誘導馬で乗ってみましたが、もちろん練習は先生の指示に一生懸命です。
でも乗馬中も手入中も、その長くて美しいたてがみに感心してしまいました。

 練習中に馬送車がやってきました。なかから現れたのは芦毛の馬2頭とかわいらしいポニーでした。彼らは2日間だけのお客様のようです。
 様子を見に遠くからのぞいていると、1頭の芦毛がこちらを見てすぐに寄ってきました。近づいて鼻をなでてあげましたが、やっぱり馬ってかわいいですね!


●ウマぎらいの馬 (97.7.18)

 馬にもいろいろな個性があります。
手入れに従順なウマ、先生の号令を自分で聞いて動くウマ、身体にさわられるのが嫌いなウマ・・・。 そんななかで、今日乗ったメジロアイガー号は「馬ぎらいのウマ」でした。
 彼は、隣や後ろに他の馬の気配がするとかみつこうとするそうです。幸い今日は大丈夫でしたが、先輩から聞いていたのでちょっと緊張してしまいました。

 今日の練習で、9月まで一般乗馬会はお休みになります。夏休み中はずっと、少年団の人たちが練習をするそうです。1ヶ月半早起きをしないすむのは助かるけれど、長い間乗馬をしないのは不安です。9月にちゃんと乗れるかしら・・・。
 たまには、乗馬センターで馬たちの顔も見たいな。



  • 東京乗馬センター:府中一般乗馬会97後半へつづく(97.9-11)

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