怪鳥とリトルのフィンランド旅行記

ムーミン谷博物館 at 吹雪のタンペレ

〜第十日目 2002年1月25日〜




 朝、ホテルで朝食をとると、外の天気はみぞれ模様。タンペレの天気はどうかな?などとのんきに思っていた頃。

 画像はホテルから見たヘルシンキ中央駅とその駅前。時計台は2年前の風景のままですね。右奥に見える白っぽい大きな建物はヘルシンキ大聖堂で、そのすぐ向こうが港になっています。このへんは明後日行く予定なので、ご参考までに。

 朝10時の列車に乗り、ヘルシンキ中央駅からタンペレ駅へ向かいます。

 

 フィンランド(北欧)の列車には、「家族連れ専用コンパートメント」とか「自転車持ち込み可」とかの車両があります。私が気に入ったのは「ペット同伴可」の車両で、犬のマークが描いてあります。実際に駅のホームでも、犬を連れている人をよく見ました。
 InterCity(特急)には時間の都合で乗れなかったので、Express(急行)でした。所要時間は5分よけいにかかりますが、約2時間でほぼ一緒。長距離列車で、タンペレの後はロバニエミへ向かいます。



 ちょっと雪が降っていましたが、車窓からの風景は田舎町あり木立あり雪原ありで、まさに「世界の車窓から」の風情(^^; 約2時間ほどでタンペレに到着すると、街はすっかり雪降りでした。

 画像はVR(フィンランド鉄道)の切符です。

 

 画像は車内の様子。天井がかなり高く、丸みをおびています。
 右側は食堂車の様子。長距離列車らしく、優雅な雰囲気が漂ってました。残念ながら気づくのが遅く、私たちは利用できませんでしたが。



 タンペレ駅に到着。
駅のホームには、かなりの雪が積もっていました。



 雪の中、第一目的であるムーミン谷博物館(MOOMIN VALLEY in Tampere Art Museum)のある市立図書館へ歩きます。駅から1キロほどの所ですが、途中にあるインフォメーションによりガイドマップをもらったり、インターネットをしたりしながら、暖をとりました。再び歩き始めると、ますます雪は強くなっていました。たぶん夏の2倍くらいの時間をかけて、やっと到着。

 ムーミン谷博物館はタンペレ市立図書館の1階にあります。ここには、原作者のトーベ・ヤンソンさん自らが書いた挿し絵やスケッチなどが展示されていて、とても興味深かったです。
(※トーベ・ヤンソンさんは前年の2001年6月27日、86歳で亡くなりました。ご冥福をお祈り申し上げます。)

 また、フロアー内のあちこちに物語のシーンを忠実に再現したミニチュアがあり、どの場面もとっても素敵です。とくに、高さ1.5mくらいのムーミンハウスは、こまかい細工があり圧巻! 何度も何度も見てしまいました。

 

 館内は撮影禁止なので、入口だけ撮影。

 ちなみに怪鳥は思いっきりムーミン世代だったりします(と言ってもテレビで見ていたのはとても小さい頃ですが)。
 冬が訪れて冬眠に入るシーンで最終回を迎えるが、子どもながらに、もの悲しかった覚えがあります。今回色々と解説を読んだのですが、その感情は間違ってなかったんだなぁと、大人になって改めて思ったり。
 そんなこんなで、今回の旅では絶対に行くんだぁー、とタンペレ行きを決めたわけですが、来ることができて、とても良かったです。

 ここでは、おみやげも売っているので、帰りにもう一度寄ることにして、海岸にある展望台へ向かいました。

 しかーし、これが大変でした。地図では広い道をまっすぐ1キロほど北上したところにあるのですが、どんどん強くなる雪と積もった雪でまったく進みません。遭難しそうな気持ちで、やっと目的地に到着しました。
 「詩人の道航路船着場」という素敵な名前の港は単なる雪の山のようになり、船があることでかろうじてそこが入り江であることがわかるくらいです。この一帯には、水族館やや遊園地やプラネタリウムなどの施設があるのですが、ひっそりしていました(そりゃそうですね(^^;。

 タワーの最上階にレストランがあるというので、眺望も兼ねて昇ってみることに。そして、お腹もすいたしここで昼食にしました。ここは回転レストランになっていて、1時間で町の様子をぐるりと見て回りながら食事をします。雪は降り続いていましたが、集合住宅の様子やさっき歩いてきた道がまっすぐに延びている様子、その向こうにある駅などよくわかりました。そして、1周のうち半分は湖です。でも一面の雪原(^^; 夏に来たらきっと美しい湖の風景を楽しめるんでしょうね。



 タワーから見たタンペレ市街の展望。右の奥の方に広がるのがピュハ湖で、このタワーよりも後ろ側(画像では左端に写っている)がナシ湖。タンペレはこの高低差を利用した水力発電によって電力を得、栄えた街だそうです。

 ゆっくりと食事をした後、タワーを降りて、再びムーミン谷博物館へ。今度はこりて(^^;タクシーで移動しました。
 博物館ではおみやげを見て回りいっぱい買って、目的を達成しました。

 

 左:博物館入口。入ってすぐ正面にあるのがお土産屋さん。
 右:図書館自体は雷鳥をモチーフにしたデザインです。吹雪でそれどころではありませんが。



 三たび雪の道を歩きながら駅へ。途中、ストックマンデパートに寄り商品を見て回りながら時間調節&暖をとることにしました。北欧はモダンな家具や調度品が多く、見ているだけでも素敵でした。お土産をいくつか買ったり、おやつのパンを買って食べたりしました。

 画像は吹雪く街中の様子。わかります?


 「そろそろ列車の時刻だから」と駅に行くと、人の賑わいが。どうも3時間前の列車も到着してない様子。まずいなぁと思いつつも、とりあえず予定にしていた21時の列車の切符を購入。
 アナウンスを聞きながら周りの人に英語でたずねたりして、果たして我々は帰れるだろうかと不安に襲われていました。
 ちなみにアナウンスはフィン語で行われているようで、何が起きているか全くわかりません。で、怪鳥はホームでなんとか英語のできる(聞き取れる)駅員をつかまえて、あれこれ質問すると「我々も何時になるかわからない」というような言葉が返ってきました。(実は駅員も大混乱中の様子(^^;)

 画像はそわそわして混雑しているタンペレ駅の様子。


 いったん駅舎の方に戻り、しばらく様子を観察。途中アナウンスに続いて「おーー」というため息とともに、多くの人が駅から出ていったりして不安にかられます(一体何がアナウンスされたのだろう??)。
 やがて人々の動きが見えて、どうも列車がくるらしいという雰囲気がわかりました。で、すぐホームに入ってさっきの駅員を見つけると、駅員も私を覚えていたらしく、顔を見るなりすぐ「ヘルシンキ行きが今来る。ヘルシンキに行く人は、全て今度の列車に乗れ!」と言われ、とにもかくにもリトルを連れに戻りました。

 画像はホームを通過するラッセル車(だと思う)。



 座席のことはよくわからないので、適当にすいてるところを見つけて座り、結局21時20分過ぎに発車しました。
 この列車も途中で一時止まったり徐行したりして、ヘルシンキ駅には0時20分ころ到着しました。
 あー、無事帰ってこられてよかった。明日のフライトに間に合わなかったら、大変なことになるところでした。

 画像はようやく到着したヘルシンキ駅。この列車でなんとか無事帰還。この後掲示板を見たら、乗るはずだったInterCityは「午前2時過ぎ到着予定」と表示されてました。危ない危ない(^^;


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