怪鳥とリトルのフィンランド旅行記

さようならサーリセルカ

〜第九日目 2002年1月24日〜


 サーリセルカ最後の朝食をとり荷造りをすると、11時30分までチェックアウトを済ませます。ホテルのロビーで空港バスを待っているあいだ、初老の男性とお話ししました。彼は背広にボストンバック一つという、とてもオーロラを見に来たとは思えないいでたちでした。しかも、現地日本人スタッフと親しげにお話しされていて不思議だったのでたずねると、彼はもう10年くらい毎年フィンランドに来ているとのことでした。
 60歳ころに奥さんを亡くされてから、自分の好きなクラシックを聴くために、日本各地のコンサートに行ったそうです。でも結局、日本では有名な演目しかやらないし、もっと好きな曲を好きなオーケストラで聴きたいと思い、毎年ヘルシンキに来るようになったとのこと。そしてときおり、「ついでにオーロラ観光」をするためにサーリセルカを訪れているそうで、スタッフにとってはすっかりおなじみのお客様でした。
 そういえばサーリセルカで出会った人の中で、私たちと同じようにリピーター(一部常連さん(^^;)が多いのに気づきました。フィンランドは一度来ると、もう一度来たくなる魅力があるようです。

 さて、晴天のもと空港バスに乗るとサーリセルカ村内を一周しながら、各ホテルの乗客を乗せてイヴァロ空港へ。2年前に吹雪の中で傷心の気持ちでバスを待っていたのとは大違いです(^^)

 

 イヴァロ空港カウンター(左)と、フィンエアー機(右)。
 ちなみに搭乗するときには、あの飛行機が止まっている場所まで雪の上を歩いていきます。

 予定通り13:30のヘルシンキ行き便に乗り、バンター空港へ。途中、窓からサーリセルカの村が見えました。2日前に仲間を見送った飛行機に、今度は自分が乗っているのです。またいつか、ここに来られる日がくるかな。
 15時にヘルシンキ・バンター空港到着、スムーズに手続きして、バスで市内へ。同じバスに先ほどの老人も乗っていて、またお話しをしました。彼の宿泊ホテルに到着すると、お別れの挨拶をしてさっそうと降りていきました。素敵なおじいさまでした。これからもお元気で、素晴らしい音楽をお楽しみくださいね。

 我々は、2年前と同じヘルシンキ駅前のソコスHバークナに。当時、工事中だったバスターミナルもすっかり整備され、ちょっと懐かしかったです。部屋に着くと一息ついてから街へ。

 ちょっと小腹がすいたので、まずは隣のマクドナルドで軽食をとることにしました。日本のマックよりメニュー表が見やすくて、オーダーしやすかった(^^; しかも、ケチャップやマスタードなどを自由にとることができて、怪鳥はとても気に入りました。そんなささやかなことに満足しているうちに、実は大事件が勃発しました! 怪鳥さんのカバンがなくなったです。
 パスポートなど貴重品は身につけていたのですが、カメラを入れたままだったから非常に困ってしまいました。「サーリセルカは田舎だからすっかり気を抜いていたけど、ヘルシンキは外国の首都だからやっぱりもっと気を付けなきゃいけなかったんだ……」とすっかり落ち込みながら、自分たちで店内をあちこち探しました。でもどうしてもみつからず、とうとう店員に「カバンをなくしてしまった」と相談しました。するとスタッフはカウンターの置くに行き、ちょっと笑顔になって戻ってくると「どんなカバンでしたか?」と聞きます。「黒くて、肩かけで、このくらいの大きさで、中味は……」と説明すると「OK!」と言って、カバンを出してくれたのです。ありがとう!!m(__)m 店員いわく、空いた席を片づけたときに、置き忘れてあったので保管したというのです。あー、その席、最初私たちが座った席だ! 別の広い席が空いたので移ったとき、私たちがカバンを置き去りにしたのです。すみませんでした。そして、ありがとうございます。なんだか、東京にいるより治安がいいです。



 その後は、郵便博物館を見学して、アカデミア書店でムーミンやフィンランドの本などをみてお土産用に購入し、ストックマンデパートで夕食のパンやチーズを買いました。明日はムーミン博物館へ行くために、電車でタンペレへ向かいます。時刻を確認し、切符を購入してホテル着。買ったパンなどを食べながら、早めに就寝。

 画像は郵便博物館。中央郵便局の中に博物館があります。

 

 切符を買いに来たヘルシンキ中央駅。明日はここからタンペレへ旅立ちます。


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