●乗馬レッスンのおはなし(96.7.9)

9日付けの日記にも書いたのですが、とっても楽しい経験だったので番外編です。>

 大井競馬場で「レディース乗馬スクール」と言う企画があり、応募して当選したので出かけました。受付を済ませると着替え、乗馬用ブーツと帽子を身につけ、中庭のような場所(普段は鞍の取付など行う場所)へ移動しました。雨のため、屋根の下でレッスンが行われます。

 私たちのグループの馬はユウギリという名前(源氏物語から付けたそうです)の16歳の牡馬です。馬の年齢は人間に例える場合4倍するそうなので、彼は64歳です。埼玉の乗馬倶楽部の馬で、とってもおとなしい馬でした。つやつやとした美しい栗毛で、顔に真っ直ぐな白い線(流星)があります。背が高くて、顔も大きすぎず全体のバランスがとれた見事な馬でした。もちろんサラブレットです。

 他のグループの馬もそれぞれ特徴があります。誘導馬(レース時に出場馬の本馬場入場の先頭にたつ馬。見栄えのする優雅な雰囲気の馬が多い)をつとめる馬もいました。見たとたんに「あ、なんだか他と雰囲気が違う。きれいなぁ」と思ったら、やっぱりサラブレットではなく、アメリカのパレード用のおとなしくてきれいな馬でした(競争用の馬ではない)。サニーゴーサンシャイン号と言い、実際に大井競馬場でよく誘導するそうです。クリーム色に黄金のたてがみが美しい、華やかな馬でした。
「流星(鼻筋の白線)がきれいなユウギリ号。
 おとなしくて、かわいい馬でした。」

 その誘導馬に騎乗する女性(大井のような地方競馬では、女性が騎乗するそうです。府中のような中央競馬では男性が乗ります。オークスや桜花賞は中央競馬でも、女性が誘導をつとめるそうです)が、私たちのインストラクターでした。

 まず諸注意を受けます。おとなしい馬だけど、悲鳴を上げたりすると驚くので冷静になること。不用意に馬の後ろに回らないこと。人間がビクビクすると馬も不安になるのでリラックスすること。そんなことを聞いてから、馬の乗り方降り方を教えてもらいます。

 手綱と一緒にたてがみを左手で握ります。馬のたてがみは脂肪が多いので、いっぺんにたくさん掴んでも絶対に抜けたりしません。右手は鞍を掴みます。勢いをつけて、足を押し上げてもらいながら、馬の背に腹から乗ります。その後片足を回してまたがります。私は昔、取材で一度馬に乗っているせいか、なんとなくエイヤ!で乗れちゃいました。他の人は、馬の背が高いせいもあり苦労している人もいました。

 ユウギリ号の上から見おろすと、気持ちがいいくらい高くて、他の馬すら見おろせちゃうんです。引き馬(インストラクターが馬の口を引いて歩く)でポッカポッカと回ると、時代劇で聞く擬音のようです。すぐ慣れて、首を撫でたり声をかけてあげたりして、楽しく回りました。止まり方や、進め方も教わりました。手綱をしっかり握り、脇をしめて強く引きます。馬の方も心得ているのか、すんなり止まってくれました。スタートは足の内側で馬の腹を押さえるように、グッと力を入れます。と、ポッカポッカまた歩き始めてくれました。4人のグループなので交替で乗るのですが、降りるのがもったいないくらい楽しくて、ずっと乗っていたい気持ちでした。降り方は、わりと簡単です。片足を回して馬の背に腹ばいになり、たてがみと鞍を掴みながらずり降りるのみ。慌てなければ、難しくありません。

 馬って、本当にニンジンが大好きなんですね。「乗せてくれてありがとう」と言って、顔や首を撫でてあげながら、インストラクターからもらったニンジンを出すと、嬉しそうにモグモグ食べます。馬の鼻先は、ちょっと堅めの筋肉質で、匂いを嗅ぎながらここで物を判断するそうです。「食べ物かな?嫌な物じゃないよね?」って。掌にニンジン片を乗せると、すぐに嬉しそうに食べます。全部食べちゃうと、インストラクターのポケットを鼻先で探ります。ここからニンジンが配られることを知っているのです。賢いですね。  何度も撫でてあげて(触らせてもらって、と言う方が正しいか(^^;)、馬に関する知識を聞いて、とても楽しい時間でした。2時間がアッと言う間に過ぎてしまいました。

 明日は厩舎を見学しながら、ブラッシングや足の手入れについて教わります。もちろん、またユウギリ号に乗せてもらいます。並足をしたので、今度は速足に挑戦です。明日もよろしくね!>ユウギリ号 そしてインストラクターさん。

(追伸)今度は馬の好きな角砂糖をお土産に持っていっちゃお(^^)

    明日の続編を乞御期待!


●乗馬レッスンのおはなし その2(96.7.10)

10日付けの日記にも書いたのですが、とっても楽しい経験だったので番外編です。>

 今日はまず厩舎にいき、馬がどんな所で生活しているのか見せてもらいました。中に入ってブラシのかけ方を教わりました。硬めのブラシと軟らかめのブラシ二つを使い、マッサージをするようにかけます。かなり力を入れてゴシゴシかけます。首、肩、背、腰、股など順にかけてあげると嬉しそうでした。その後、ハミ(口にかまして手綱になる)のかけ方や、鞍のセットの仕方を教わりました。

 その後いよいよ乗馬。昨日と同じ、ユウギリ号に乗ります。二日目ともなると、私でも楽に乗り降りできるようになります。かるく歩いたらさっそく、止める、動かすを命令します。馬を止めるには手綱を「引く」というより、上下に動いている馬の首を「止めてあげる」といった感じです。これはすぐできました。動かすには腹を蹴るようにしますが、もともと乗馬用のおとなしい馬なのでちょっとぐらいじゃ動きません(普通の馬なら、飛び出してしまいそうです)。ユウギリ号にはっきりわかるくらい、しっかり蹴ります。もうひとつのやり方は、両腹を締め付けるように足で押さえます。歩いている馬を早く進めるときも、この方法は有効でした。

 次に、左右に馬を動かす方法をマスターします。これは、ちょうど車のハンドルの要領です。右に進めるには、右の手綱を後ろに回すように(引いてしまうと止まってしまう)首を曲げさせます。その時、左の手綱を右に回します。こうすると、馬の首がむりなく右に曲がり、馬自体が右に進みます。ユウギリ号が私の命令を聞いて、ちゃんと右に曲がってくれたときは嬉しくて、いっそう可愛くなってしまいました。

 こうして人間の指示どおりに動いてくれたときには、首や方をなでて誉めてあげます。これが大切なことだそうです。一通りの乗馬を教わると、インストラクターさんが引き綱をはずして、私一人でユウギリと歩きました。ポッカポッカ・・・気持ち良くて、ユウギリ号が仲間のように感じて、感激しました。馬って、本当にかわいいです!

 すべてのレッスンが終わると、最後にユウギリ号にお礼をして、ニンジンをあげます。今日は家から持ってきた角砂糖もあげてみました。モグモグ・・・、おいしそうに食べます。体をなでてあげて、餌をあげて、ユウギリ号に感謝を伝えます。

 たった二日間の乗馬レッスンでいしたが、とても楽しく充実した時間でした。馬の美しさ、乗馬の楽しさ、人間と動物の信頼感。「馬」を今までよりとっても身近に感じました。教えてくれたインストラクターさん、ありがとう。そして、ユウギリ号ありがとう! いつか、また君に会いたいネ。(彼は千葉の乗馬スクールにいます)



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