●中学生対象webに掲載した記事「世界遺産てなに?」(98.12.2)

 11月30日から12月5日まで、京都で日本初の世界遺産委員会会議が行われています。この世界遺産とは、いったいどんなものでしょうか。
 世界遺産とはユネスコという国際的機関で、世界遺産条約にもとづいて1972年から登録されたものです。その目的は、世界的に価値の高い文化遺産や自然遺産を、人類共通の財産として保護していくことです。

 日本国内には、以下のように8つの世界遺産があります。
自然遺産
白神山地しらかみさんち青森・秋田1993年
屋久島やくしま鹿児島1993年
文化遺産
法隆寺地域の仏教建造物ほうりゅうじちいきの
ぶっきょうけんぞうぶつ
奈良1993年
姫路城ひめじじょう兵庫1993年
古都京都の文化財こときょうとのぶんかざい京都1994年
白川郷
御箇山の合掌造り集落
しらかわごう
ごかやまの
がっしょうづくり
しゅうらく
岐阜・富山1995年
原爆ドームげんばくどーむ広島1996年
厳島神社いつくしまじんじゃ広島1996年

そして今年、古都奈良の文化財が9つ目の世界遺産として登録されました。

 海外では、インカ帝国の都市遺跡マチュピチュの歴史保護区(ペルー1983年)・秦の始皇帝が築いた万里の長城(ばんりのちょうじょう 中国1887年)など、418の文化遺産と114の自然遺産、20の複合遺産の合計552件が登録されています。

 京都会議では、各国が推薦した物件がリストに登録できるか決め、現在 文化と自然に分かれている世界遺産を一つにするための話し合いが行われました。

 日本の世界遺産はどこも景勝地(景色のよいところ)であり、観光開発をめざす考えをしがちです。しかし、遺産をいかしながら「保護し、後世に伝える」という本来の意味を守るためには、どうすればいいのでしょうか。世界遺産の地元では、今後のあり方をめぐってさまざまな意見が出されています。

 あなたは、世界遺産のどれかを訪ねたことがありますか。いつか自分の目で実際に見て、心でその文化を感じて大切に守りましょう。くれぐれもゴミを散らかしたり、むやみに汚すことがないように気をつけましょうね。

白川郷・御箇山の合掌造り集落

(リトル)


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