9泊13日!? フィンランド経由カナダ行き

 この文章はFAS府中天文同好会の会誌「むぎ星」に掲載した文書を、ホームページ用にアレンジしたものです。怪鳥による悪戦苦闘ぶりが伝われば幸いです。


●悲しみのフィンランド編

 フィンランドで有名なのは? 1番目がサンタクロースで2番目がムーミンだそうで。さしずめ現存する人ならハッキネン(F1ワールドチャンピオン)か、ソイニネン(長野五輪のノーマルヒルジャンプ金メダリスト)だろうか? 個人的には一昔前のニッカネンの方がインパクトがあったけど・・・。

 何はともあれ、そのフィンランドに行ってオーロラを見たいとリトルが言う。そういえば新婚旅行のペルー('94年)や、タイ('95年)で皆既日食を見た頃、オーロラを見たいと言っていたような気もする。それでそのたび、黒点活動の活発になる2000年頃まで待て、とお茶を濁していたような・・・。


北欧の主なオーロラ観測地とオーロラベルト

 北欧の主なオーロラツアーは、ノルウェー(トロムソ他)、スウェーデン(ドンドレッド他)とフィンランドであるが、彼女はラップランドの文化に触れたいということで、サーメ人(原住民)の聖地イナリ湖に近い、フィンランドの「サーリセルカ」という町を選んだ。私にとっては見られればどこでも良かったのだけれども。それにしても本当に今年行くことになろうとは(お金もないのに・・・)。

 ということで2月27日の昼、フィンエアーで空路フィンランドへ向かった。メルカトル図法の地図では遠そうに見えるが、フィンランドは意外に近い国である。首都ヘルシンキまでは飛行機で約9時間。ある意味ロシアを挟んで最も近いヨーロッパである。我々はヘルシンキで一泊した後、国内線で1時間半ほどのイヴァロ空港に降り立った。航空機のゴーアラウンド(着陸やり直し)にちょっとびびりながら。そして空港に着いた我々を迎えてくれたのは、横殴りの吹雪だった。その時にはまだ、これが雪に泣かされる日々の始まりだとは思わなかったのだけど。

 空港からバスで30分程して目的地サーリセルカに到着。現地は雪が深く、20kgを越えるスーツケースを転がすのが辛いほど。現地係員の話では前日頃から雪続きの天気なんだそうな。ま、5泊もあれば1晩くらいは晴れるでしょうというのが、この頃の甘い気持ち。


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