9泊13日!? フィンランド経由カナダ行き

その2



観光用にソリをひくトナカイ

 サールセリカは北緯68度の北極圏にあるリゾート地。さすがに春先になったので、気温は昼間で氷点下10度くらいだけど、極寒地であることには変わりない。雪は当然さらさらのパウダースノーで、降ってる中を歩いても、服にはまったくこびりつかない程。現地の人はクロスカントリースキーをもっぱら楽しんでるよう。でも我々はスキーにはほとんど興味がないので、歩いて15分程の間にある店を巡ってお土産などを探す日々が続く(でも物価は日本のリゾート価格と同じで、かなり高い!)。
 それでもオプショナルツアーのトナカイぞりで原野の中を進むと、さすがに北欧って感じはしたのだが。


 ・・・で、天気はその後どうだったのかというと、これが全く晴れない。晴れないどころか、雪が降り止まない。昼間は時折、雲が薄くなって淡い水色の空が見えるんだけど、雪は止まない。当然夜も雪は降り続いているから、オーロラどころか星一つさえ見えない。そういえば機内で読んだムーミン本に「2月の終わりから続く嵐は、厳寒の冬よりは少し暖かい、春の気配を運んでくる」という気になる一節があったっけ・・・。


雪に埋もれそうなオーロラ観測小屋(コタ)

 そんなこんなでアッという間に来てしまったツアー最後の晩は、夜通し観測小屋(コタ)にこもることに。この小屋は15人程が入れる八角形の小屋をツアー会社とホテルが協力して建てたものらしい。薪ストーブで暖をとりながら、オーロラが現れるまで待つことができる。普通は晴れてる日にオーロラを待つんだけど、降り続く雪が止むか、流れてる雲から少しでも晴れ間は広がるか、そんな悲観的な観察に「暮れ明け」た一晩。
 結局どんどん強くなる雪の中、明け方を迎えたのであった。それにしても北極星の高ささえ実感できずに終わるとは。


 こうして、滞在5日約117時間のうち、115時間以上雪が降り続いたフィンランドオーロラツアーは幕を閉じる。最終日、15分程のバス待ちでも、まるで遭難しそうなくらいの吹雪の中、現地を後にしたのだった。

 当然帰りの帰路便は、自然と無口になる二人。山崎まさよし「Passage」が空しく響く中(注:フィンエアーの機内音楽で聞いたこの曲、結構切ないイントロなんです)、勢いで、安いツアー探して、「今度は北米へ行く?」等と口走ってしまったのが第二章の始まり。そこには「アラスカ?カナダ?」と目を輝かせているリトルがいた・・・。


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