2日目 〜3月29日夜〜 その2

※画像をクリックすると、大きい画像と写真の詳しい説明のページにリンクします。


<オーロラはさらに激しく!>

 北でカーテン状オーロラが見えたころ(24時過ぎ)、東地平線近くにはずっとキツネの尾のような、白くてやや太いぼんやりしたオーロラが見えていました。
 24時30分、その尾型オーロラが北のカーテン状とつながり、目の前に東から西へ巨大な幕が広がりました。西側は、うねる波やたてのすじがはっきりわかるもので、新たなオーロラ活動も始まりました。現地ツアーオーナーに言わせると「オーロラ3」(10段階で1が低い)。


※写真:複雑なカーテン状のオーロラ

西空で活動し始めた複雑な構造は、北空(右側)へと伸びていきました。


※写真:明るい縦すじ

やがて縦にすじが入ると明るくなり、別のオーロラ活動が始まりました。

<そしてブレイクアップ!>

 1時ころになるとアーク状だったオーロラがいったん薄くなりました。ぼんやりとしてますが、まだ消えてはいません。
 やがて東側に濃いスポットが現れ、1分もしないうちにカーテン状になりました。また西のカーテンとつながり先ほどより高い50度くらいのアーク状になりました。
 1時45分にはバスでホテルへ戻るというのでリトルは荷物の整理をしに小屋へ入りましたが、外にいた怪鳥さんによるとやがてアークが薄くなり高さ70度くらいまで空全体に広がったようです。
 2時にバスへ向かうと「今オーロラが激しく動いているから見てごらん!」というオーナーの声。急いで庭に戻るとなんと空全体に薄雲がかかったようにオーロラが広がり、東上空では虫がはうようにピクピクとすじが動くのです! とっても不気味で神秘的というより気持ち悪いくらいでした。オーナーが言うところの“おばけオーロラ”は、瞬時に空全体に現れたり消えたりする「オーロラ7」へと発達。


※写真:ブレイクアップ直前の西の空のオーロラ活動

オーロラは太く明るくなり、また高度も高い方(画面上の方向)へと伸びて来ています。
残念ながら当初はここで時間切れとなり、片づけへと入ったため、この後のブレイクアップの瞬間は撮影できませんでした。東の空の活発な様子を収めたかったのですが・・・。
もっともブレイクアップの瞬間は、写真では表しきれない程に、オーロラは形を変えてました。

<ホテル近隣での観察>

 心残りのままホテルへ移動する道中からも、オーロラの活動はまだ続いてる様子です。そこですぐホテルの裏手へ移動。ナトリウムランプが多く、4等台がやっとという空なのですが、激しく形を変え、移動するオーロラが見えていました。

 ここで意を決して、少し離れた場所へ徒歩で移動することを決定。機材もごく簡易な状態にし、ナトリウムランプがなくなる場所へと移動を開始しました。
 ちなみにホテルの北側はダウンタウンの方向で街明かりがひどいので、先ほどの観測地のある南側方向へ向かいます。しかしホテルの南に空港が隣接しているため、この脇を徒歩で約25分ほど歩き、ようやく暗い道ばたに腰を落ち着けました。

 まだ光害の影響があり5等までしか見えない空なので、色まではわかりませんが、オーロラはそのまま激しくブレークアップし続けています。北からは後光が差すようなオーロラが広がり、西・天頂・東・南には不規則に明滅するお化けオーロラが出現。消えてはあらわれ、あらわれてはまた消えるオーロラの様子を、時折トラックの通る道の脇でしばしぼーっと眺め続けました。


※写真:北の空いっぱいに広がるオーロラ群

空港方面で光害がひどく、色などは分かりませんでしたが、まるで北の空一面に後光が差すかのようにオーロラ群が広がってました。
下の明かりが空港へのアクセス道のナトリウムランプ。上側に、このランプのゴースト写り込んでしまってます。


※写真:東の空に広がるオーロラ群

同じ場所からの東の空。やはり低空に光害がありましたが、空全面に緑のオーロラが広がってる様子がわかります。このオーロラ構造は複雑に変化しながら、天頂を通り、南側や北側へとつながってました。

 やがて4時過ぎに薄明になるとオーロラも薄くなり観測を引き上げました。帰路で南を移動する宇宙ステーションを見て、5時ころヘトヘトになりながら、ホテルに戻りました。非常に堪能できた一晩でした。


3日目につづく  表紙へ戻る