梅雨入りはいつでしょうか?
「そんなの、なってみなきゃわからないよ」って思うでしょう。
でも、決まっているのです。
答えは6月11日、昨日でした。
カレンダーにもちゃんと書いてあるんだよ。
これは、「節分」「彼岸」「八十八夜」など、季節をあらわす雑節の中のひとつで、毎年決まっているのです。
実際には、気象庁から梅雨入り宣言がだされると「梅雨に入った」といいますね。今回は、そんな梅雨にちなんで、いろいろな雨を紹介します。
弱い雨…1時間に3o未満の降水量
並の雨…1時間に3o以上15o未満の降水量
強い雨…1時間に15o以上の降水量
驟雨(しゅうう)=にわか雨…急に降り出す雨
積乱雲や入道雲など、低い雲から降る
地雨(じあめ)…しとしと降り続く雨
乱層雲や高層雲など、高い雲から降る
霧雨…無数の細かな雨粒が、ゆっくりと落ちてくる
小糠雨(こぬかあめ)=糠雨(ぬかあめ)=ひそか雨
春先にしとしと降る雨。雨つぶの大きさは0.2〜0.5oくらい
翠雨(すいう)…青葉に降りかかる雨
緑雨(りょくう)…新緑のころ降る雨
甘雨(かんう)…草や木をうるおす雨
麦雨(ばくう)…麦の熟するころ降る雨
瑞雨(ずいう)…穀物の成長を助ける雨
菜種梅雨(なたねづゆ)=春雨(はるさめ)=春の長雨=春霖(しゅんりん)
3月から4月の、菜の花が咲くころ降る雨
走り梅雨=梅雨の走り=前梅雨=迎え梅雨
5月中旬から下旬の、梅雨を思わせるような雨
卯の花腐し(うのはなくたし)
旧暦4月から5月の卯の花が咲くころ降る雨。卯の花を腐らせそうだから
これは今の5月から6月にあたり、梅雨のこと
このころの曇りは、卯の花曇(うのはなぐもり)
五月雨(さみだれ)…旧暦5月(今の6月)に降る雨。さつきの水だれの意味
このころの雲は、五月雲(さつきぐも)
この雲によって暗くなるのは、五月闇み(さつきやみ)
梅雨(ばいう)…梅の実が熟すころに降る雨
黴(かび)をはやす雨の「黴雨(ばいう)」という説もある
梅雨(つゆ)…江戸時代前期にまとめられた『日本歳時記(にほんさいじき)』
に「これをツユと名づく」とある
江戸時代から「ばいう」が「つゆ」と呼ばれるようになった
ツユの語源はお汁(つゆ)や露(つゆ)。湿気でくさる意味の「ついゆ」など
栗花落(ついり)=墜栗花(ついり)=梅入り
梅雨に入ること。このころ栗の花が咲き散る
青梅雨(あおつゆ)…青葉に降りそそぐ梅雨
梅雨の中休み…梅雨の最中に、一時的に晴天が続くこと
空梅雨(からつゆ)…梅雨の時期なのに、ほとんど雨が降らないこと
送り梅雨…梅雨が明けるころの雨
戻り梅雨=返り梅雨…梅雨が明けたと思っても、またぶり返して降ること
今回は、春から梅雨の時期の雨を紹介しました。
あなたはいくつ知っていましたか?
ひとくちに雨と言っても、実にたくさんの名前がありますね。同じ時の雨でも、降る様子でちがう名前で呼ばれることもあるのです。
ひとつの雨が、道を歩く人にはゆううつだったり、農家の人には喜ばれたりします。雨降りだからといって、必ずしも「悪い天気」ではないのですね。
どうせ梅雨を過ごすのなら、雨を楽しんだ方が気分が晴れますよ。あなたも、雨のふり方を観察したり、雨で色が美しくなる花をながめたりして、梅雨を楽しみましょう。
梅雨が明けたら、今度は夏の雨の名前を紹介しますね。お楽しみに!
(中学生対象web原稿よりリトル)