御神渡り(おみわたり)


 湖上を横断する御神渡り


 冬の諏訪湖でおこる現象です。厳しい寒さで全面結氷をすると、昼の温かさで一部がとけ、夜の寒さで再び凍るということが繰り返されます。何度か繰り返されると、ある晩に一大音響とともに氷が裂けて何キロにも渡る盛り上がりをみせます。
 御神渡りができると拝観式が行われ、できかた(方向や長さ、高さなど)によってその年の吉報が占われます。
 しかしながらここ数年、暖冬の影響で御神渡りは見られてません。ちなみに、御神渡りの出来なかった年は「あけの海」と呼ばれあまり良い年ではないようです。
 御神渡りはその不思議な現象とともに、民話にまつわるロマンがあり、諏訪の人々に広く親しまれています。諏訪湖畔には有名な諏訪大社がありますが、これは諏訪市の「上社」と下諏訪の「下社」の二つでできています。民話ではこの神様は夫婦であり、もともと上諏訪に一緒に住んでいました。ところが夫婦喧嘩をして女神が下諏訪へ行ってしまったのです。冬になり淋しくなった男神は、凍った諏訪湖の上を渡って女神に会いに行きました。その後が諏訪湖上に南から北に走り、「御神渡り」と呼ばれるようになったのです。つまり、御神渡りは神様のデートの後だったんですね。
 ちなみに、女神は下諏訪へ行く際に、化粧用のお湯を綿に湿らせて持って行きました。その滴が落ちたところから温泉が湧き出して、現在のような温泉街になったと言われています。その綿を捨てた場所が下諏訪にあり、「綿の湯」と呼ばれ源泉になっています。

 なお諏訪大社(上社)について詳しく知りたい方は、 諏訪市の観光・レジャー施設のページをご参照下さい。

<今シーズンの御神渡り報道>

 2月28日朝日新聞朝刊に「屈斜路湖で御神渡り」という記事が、写真付きで載っていましたね。現象としては諏訪湖の御神渡りとまったく同じようです。
 記事によると、『湖を横断するように、十数キロにわったって蛇行しながら連なる。寒暖の差が激しいほど大きな「御神渡り」現象ができる。氷の山脈は高いところでは1メートル以上あり、地元の人によると、最近では大きい方という』ことだそうです。
 あらためて、諏訪の気象条件と北海道の気象条件(寒さ)の似ていることを感じました。諏訪湖でも、こんなふうに“立派な御神渡り”を見たいなぁ。



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