●緑色の花を咲かせる桜のおはなし

 リトルの実家の長野県諏訪市清水には「緑色の花を咲かせる桜」があります。秋葉神社の境内に一本だけあるのですが、毎年ゴールデンウィークころから咲き出し、4月30日に見たときはつぼみが大きくふくらんでいました。
 全国に何ヶ所かこのような桜があるらしいですが、この木は20年くらい前から咲いおり、「先祖還りの桜」と言うそうです。看板の説明によると、もともと「花」とは「葉」が進化したものであり、色も緑だったそうです。やがて現在のようなピンクになったのですが、この桜の木はなぜか昔に戻ってしまい花びらの色が緑になったそうです。

 境内の公民館を新しくしたときに何本か植樹し、はじめはすべてピンク色の花が咲いたのですが、途中からなぜかこの木だけがだんだん緑色になったのです。現在では、やや濃淡のある緑の花が1ヶ月ほど咲き続け、最後は散らずに花びらが乾燥し風化します。
 ちょっと変わっている桜ですが、もう何年も見続けているので「今年もきれいに咲くといいなぁ」と思います。緑の桜を見ていると、太古の植物の進化について想いを馳せます。



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